9月から、また頑張るために。40代の私に必要な「ご褒美」と「小さな喜び」

9月から、また頑張るために。40代の私に必要な「ご褒美」と「小さな喜び」

夏の終わり、ひと息ついた午後に

夏休みももうすぐ終わり、蝉の声が遠ざかりはじめる頃。
8月の終盤は、いつも少し慌ただしい。
子どもの病院、車の車検、たまっていた家事。
やるべきことを一つずつ片づけていくうちに、
心の奥の「疲れ」がふと顔を出す。

それでも、全部終わったあとにやってくる静けさが好きだ。
家の中に流れる穏やかな空気。
「ようやく、少し休める」と思える瞬間。

その午後、私はパソコンを開いてブログを書いた。
文章を紡ぐ指先が、だんだん軽くなっていく。
言葉が整っていくたびに、心の中にも小さな風が吹くような気がした。
この感覚——自分の中に戻っていくような感覚が、
いまの私にとって何よりの「ご褒美」なのかもしれない。

家事の隙間に見つけた「小さな楽しみ」

40代になると、自分の時間を持つことがぐっと難しくなる。
家族の予定、仕事の責任、体調の波。
どれも大切だからこそ、どこかで無理をしてしまう。

だから私は、
「わずかな隙間でも、自分を満たす」ことを意識している。

洗濯機が回るあいだ、
お気に入りのマグカップでコーヒーを飲む。
夜の台所で、香りの良いハンドクリームをつける。
ほんの数分でも、
“私だけの時間”を意識的に作る。

そんな些細なことが、
思っている以上に心をやわらげてくれる。

手帳にマスキングテープを貼る時間も、
そのひとつだ。
かわいい柄を見つけて、「この色、今の気分にぴったり」と感じる瞬間。
それを貼って、眺めて、また少し元気が出る。
そんな積み重ねが、ゆらぎやすい40代の私を支えてくれている。

「手間ひま」と「ご褒美」は、心の栄養

丁寧な暮らしという言葉を、
昔は少し遠いものに感じていた。
でも今は思う。
“丁寧さ”は、派手なことじゃなくて、
自分を大切に扱う「手間ひま」なのだと。

ITの会社で働いていると、
常に「効率」「生産性」と向き合う。
でも、人間の心って、効率では整わない。
だからこそ、私はあえてアナログな手帳を使い、
手で書き、貼り、感じることを大事にしている。

その日、夜は夫と子どもたちと
群馬県太田市のブロンコビリーへ。
ステーキの香ばしい匂い、
炭火の音、
サラダバーで笑い合う子どもたち。

「やっぱり来てよかったね」
そう言いながら食べるご飯は、
どんなご褒美よりも、心にしみた。

タスクを片づけた後の、
ささやかな達成感と、
おいしいご飯。
それだけで、また少し前を向ける。

「9月からまた頑張る」は、無理をしないということ

昔の“頑張る”は、
自分をすり減らしてでも結果を出すことだった。
でも今の“頑張る”は、
自分を守りながら続けること。

40代になると、
心と体のエネルギーの使い方を変えないと続かない。
私はようやくそのことを、
自分の体で理解した。

無理をして頑張るよりも、
休みながら整えていく。
完璧にこなすよりも、
「今日はこれだけで十分」と思える自分でいる。

手帳を開きながら、
“今日のよかったこと”を3つ書く。
それが、私の新しい頑張り方。
日常の小さな達成感を
少しずつ積み重ねていく。

40代の私に必要なのは、「甘やかしの勇気」

ご褒美というと、
つい「何かを達成した後にもらうもの」と思いがちだけど、
今の私は違う。

ご褒美は、
「まだ頑張っていない時」にこそ必要だと思う。

心が疲れて、
やる気が出ない日。
そんな時に、
自分を少し甘やかす。
それが、再び歩き出すための養生。

特別なことじゃなくていい。
美味しいケーキ、
お気に入りのマステ、
誰にも邪魔されない15分の静けさ。
それだけで、
また少し元気を取り戻せる。

40代の丁寧な暮らしとは、
「自分を追い立てないこと」。
そして、
自分の中の小さな声を無視しないこと。

心の中に、
“ご褒美をあげたくなる自分”がいる限り、
私たちはまだ大丈夫だ。

今日も小さな養生を。

Wrote this article この記事を書いた人

ミカ

手帳と暮らすミカです。 薬剤師・和漢薬膳師として、心と体の「めぐり」を見つめながら暮らしています。 40代を迎え、心や体の声に耳を澄ます日々。 手帳を開く時間は、私にとって小さな養生であり、静かな儀式です。 ここでは、ほぼ日手帳に綴る日々の出来事や心の揺れを通して、 「人間らしく生きる」ためのヒントを探しています。

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