完璧じゃなくていい。手帳に書く「どうでもいいこと」が、私を楽にしてくれる

完璧じゃなくていい。手帳に書く「どうでもいいこと」が、私を楽にしてくれる

私は毎日、ほぼ日手帳に日記を書いている。
でも、今日は少しだけ、手帳を開くのが億劫だった。

在宅で仕事をしていると、仕事とプライベートの境界線があいまいになる。
パソコンを閉じても、頭の中ではまだ仕事のことを考えていて、
心のどこかがずっと「オン」のまま。

今日の私は、まさにそんな状態だった。

「ちゃんと書かなきゃ」と思うほど、書けなくなる

ほぼ日手帳を開くとき、
「可愛くデコしなきゃ」「いい感じにまとめなきゃ」
そんな思いが浮かぶことがある。

でも、それが一番のストレスになる。

だから私は、そういう日はあえて、
“どうでもいいこと”を書く。

今日の夕飯の献立でもいいし、
洗濯機の排水管が詰まった話でもいい。
あるいはただ一言、
「なんだかモヤモヤする」と殴り書きするだけの日もある。

整えることをやめて、
思いつくままに書く。

それだけで、心の中にこびりついていた霧みたいなものが
すーっと晴れていくのを感じる。

誰にも見せないページに、本当の自分がいる

手帳は、私だけの小さな避難場所だ。

そこに書いた「どうでもいいこと」や「モヤモヤ」は、
誰にも見せる必要のない、自分だけの言葉。

声に出すと荒れてしまう感情も、
紙の上に置くと少し優しくなる。

ペン先が紙を滑る感覚に集中しているうちに、
心の輪郭が見えてくる。

「ああ、私は疲れていたんだ」
「これは悲しさじゃなく、ただの焦りだったんだ」

書くことで、ようやく気づけることがある。
手帳は、私にとっての“心の処方箋”。

東洋医学でいう「養生」にも、少し似ている気がする。

モヤモヤの正体を言葉にする

この日の手帳には、仕事での小さなトラブルのことを書いた。

在宅ワークでは、顔を合わせて話す機会が少ない。
だからこそ、たった一つの言葉で誤解が生まれてしまうことがある。

「なんでそんな言い方するの?」
本当はそう叫びたかったけれど、
言葉にすればするほど自分まで荒れてしまいそうで。

代わりに、手帳を開いてペンを走らせた。

書き終えるころには、
心が少し静かになっていた。

目の前には、デコレーションしたマステとシール。
くまのイラストや、スイーツ柄のシールたちが
小さな明るさをくれる。

「ああ、嫌なことばかりじゃないな」

そんなふうに思えた瞬間、
また少し呼吸が深くなった。

手帳デコは、自分を甘やかす時間

私が手帳デコを始めたのは、
SNSで美しい手帳アカウントを見かけたのがきっかけだった。

最初は「こんなふうにできない」と落ち込んでいたけれど、
ある時ふと思った。

「デコは上手にするものじゃなくて、楽しむものなんだ」

それからは、比べるのをやめて、
ただ自分の“好き”だけを詰め込むようになった。

くまのマステ。
紅茶の香りを思わせるブラウンのテープ。
小さな花のステッカー。

どれも、“完璧じゃなくていい”と教えてくれる存在。

「書く」ことが、自分を整える

日記は、きれいにまとめるためのものではない。
SNSに載せるためでもない。

今日あったことを、今日の言葉で書く。
それだけでいい。

書くことは、自分を“責めない”練習でもある。
疲れている自分も、うまくいかない自分も、
全部、紙の上で受け止めてあげる。

40代になってから、
「完璧じゃなくていい」と心から思えるようになった。

誰かに見せるためではなく、
自分を楽にするために書く。

それが、今の私の“生き方の養生”だと思う。

手帳と可愛いデコアイテムがあれば、それだけで十分に幸せ

ページをめくるたび、
昨日の私と今日の私が会話しているような気がする。

その小さな対話が、
忙しい日々の中で、私の心を整えてくれる。

もし今、モヤモヤしているなら、
たった数行でもいい。

「疲れた」「やる気が出ない」「なんとなく寂しい」
そのままの言葉を、紙の上に置いてみてほしい。

きっとそれが、あなたを少し楽にしてくれる。

手帳とお気に入りのデコアイテムがあれば、
日常の中にも、小さな癒しが生まれる。

完璧じゃなくていい。
今日も、自分のペースで。

今日も小さな養生を。

Wrote this article この記事を書いた人

ミカ

手帳と暮らすミカです。 薬剤師・和漢薬膳師として、心と体の「めぐり」を見つめながら暮らしています。 40代を迎え、心や体の声に耳を澄ます日々。 手帳を開く時間は、私にとって小さな養生であり、静かな儀式です。 ここでは、ほぼ日手帳に綴る日々の出来事や心の揺れを通して、 「人間らしく生きる」ためのヒントを探しています。

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