ゆっくり変わることを肯定する。10月のはじまりに思うこと

ゆっくり変わることを肯定する。10月のはじまりに思うこと

あっという間に、10月が来た

今日から10月。
気づけば、今年もあと3か月。
手帳のカレンダーをめくりながら、
「もうそんなに経ったのか」と小さく息をついた。

1月の私は、体調も気持ちも不安定だった。
仕事のストレスが強く、
何かを頑張ろうとしても、空回りばかり。
寝ても疲れが取れず、
気づけば“元気なふり”が癖になっていた。

あの頃の自分に比べて、今はどうだろう。
劇的に何かが変わったわけじゃない。
けれど、少しずつ、自分の心の扱い方を
覚えてきたような気がする。

「変わらなきゃ」と焦っていた日々

あの頃の私は、
とにかく“変わらなきゃ”と思っていた。
仕事でも、家庭でも、
自分が遅れているような気がして、
他人と比べては落ち込んでいた。

SNSでは、同世代の人たちが
次々と新しい挑戦をしている。
それを見るたびに、
「私も何かしなきゃ」と心がざわついた。

でも、焦って動いてもうまくいかず、
自分を責めることが増えていった。
そのたびに、心の中に
小さな疲れの粒が溜まっていった。

そんな自分を、
やっと少しずつ受け入れられるようになったのは、
ここ数か月のことだと思う。

比べない日々を選べるようになった

今年に入ってから、
私は他人と自分を比べることが
少し減った気がする。

それは、成長というより“諦め”に近いかもしれない。
けれど、その諦めは決して悪いものではなく、
むしろ心を守ってくれる“手放し”のような感覚だった。

「私は私でいい」と思える日が、
以前より増えた。
完璧じゃない日も、
何もできなかった日も、
ちゃんと生きていた自分を、
手帳の中で見つけられるようになった。

比べないことで、見えてきたのは、
他人の幸せではなく、自分の機嫌だった。
“どう生きたいか”よりも、
“今どう在りたいか”に目が向くようになった。

ゆっくり変わる、という生き方

人はつい、“変化”を大きなものとして捉えがちだ。
転職、引っ越し、挑戦、新しい始まり。
でも本当の変化は、
もっと静かで、誰にも気づかれないところにあるのかもしれない。

たとえば、
他人の意見に振り回されなくなったこと。
無理をしてでも笑おうとしなくなったこと。
自分の心の声を、少しだけ信じられるようになったこと。

そんな小さな変化が、
実は一番大きな“成長”なのかもしれない。

焦らなくていい。
少しずつでも、自分を理解していけたら、
それで十分なんだと思う。

「10月も、焦らずに」

季節の変わり目は、
体も心も揺らぎやすい。
だからこそ、無理をしないでいたい。
眠い日は早く眠り、
疲れた日は“何もしない”ことを選んでもいい。

10月は、そんな自分を
やさしく見守る月にしたい。

できることを増やすよりも、
余計なものを減らしていく。
比べるよりも、
心の声を静かに聴いてあげる。

“何も変わっていない”ように見えても、
それはきっと、変わっている途中。
ゆっくりでも、確かに前に進んでいる。

今日も小さな養生を。

Wrote this article この記事を書いた人

ミカ

手帳と暮らすミカです。 薬剤師・和漢薬膳師として、心と体の「めぐり」を見つめながら暮らしています。 40代を迎え、心や体の声に耳を澄ます日々。 手帳を開く時間は、私にとって小さな養生であり、静かな儀式です。 ここでは、ほぼ日手帳に綴る日々の出来事や心の揺れを通して、 「人間らしく生きる」ためのヒントを探しています。

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