本当はもう疲れてる。感情に蓋をして生きてきた40代主婦の心のデトックス法

本当はもう疲れてる。感情に蓋をして生きてきた40代主婦の心のデトックス法

ふとした瞬間に感じる「空っぽ」

あっという間に月曜日がやってくる。
家族の朝食を作り、洗濯機を回し、子どもたちを送り出して、ようやくひと息。
いつも通りの朝なのに、ふと窓の外を見た瞬間、
胸の奥に小さなもやが立ち上がる。

何も悪いことは起きていない。
それなのに、どこか満たされない。
空気のように漂う虚しさが、心の中にゆっくり広がっていく。

気づけば、私はいつの間にか感情に蓋をして生きることに慣れてしまっていた。
「疲れた」と口に出すのは甘えだと思い、
「つらい」と言えば、誰かを困らせるような気がして。
母として、妻として、社会人として、
それぞれの役割をこなすうちに、自分の気持ちはどこかへ置き去りになった。

嬉しいことも悲しいことも、
“平気なふり”をするのがいつの間にか日常になっていた。
でも、心の奥では小さな声が叫んでいた。
「もう少し、休ませて」と。

「たいしたことない」という呪文

私はずっと、自分にこう言い聞かせてきた。
「これくらいで疲れるなんて、たいしたことない」
「子どもにイライラしても、たいしたことない」
「体がだるいのは気のせい、たいしたことない」

そうやって、感情を押し込めて、見ないふりをしてきた。
けれど、本当は“たいしたことない”なんてことは一つもなかった。
その小さな違和感や痛みは、心が発するSOSだったのだと思う。

我慢を重ねるうちに、
泣きたいのに泣けない、
嬉しいのに笑えない、
そんな自分になっていた。
気づけば、感情の波が遠くへ行ってしまっていた。

でも、もうこれ以上は溜め込まない。
ようやくそう思えるようになった。
心の声を無視せず、
少しずつでも外に出してあげよう。

「窓デコ」で心の風通しをよくする

私が始めた心のデトックスは、
手帳の中に小さな“窓”をつくることだった。

ページの一角にマスキングテープやシールを貼り、
まるで窓から外をのぞいているようにデコレーションする。
光の差す海、揺れる草花、静かな青空——
それは、私の心が本当は求めていた穏やかさの象徴だった。

手帳を開いて、その日の気持ちを書き出す。
そして、その感情に合う色や柄を選んで貼っていく。
「今日は心が曇っている」
「少しだけ光が見えた」
そんな言葉を並べながら、
感情に蓋をしていた自分をそっと解放していく。

デコレーションは、私にとって心の換気。
色と形を選ぶ時間が、
自分の感情を“見える形”に戻す時間でもある。
それは、忘れていた心の呼吸を取り戻す儀式のようなものだ。

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書くことで整える心

“書く”という行為には、静かな力がある。
言葉にすることで、心の中のもやが輪郭を持ちはじめる。
文字として並んだ瞬間、感情はもう自分を苦しめる存在ではなくなる。

「私は今日、こんなふうに感じていたんだな」
そう気づくたび、
自分の中にやさしい風が吹く。

書くことは、心の片づけだ。
ため込んだ思いや悩みを一度紙の上に置くと、
もう少し軽く、もう少し柔らかく生きられる気がする。

書き終えたあとに手帳を閉じると、
心の奥で小さな灯りがともる。
「今日も、ちゃんと生きてたな」と思える。
それだけで、十分なのだ。

形から整える、心の養生

心を整えるために、
形から入るのも悪くない。

お気に入りの手帳を新しくする。
マスキングテープをいくつか並べてみる。
好きな色のペンを一本選ぶ。
それだけで、暮らしの中に小さな楽しみが生まれる。

最近は、ネットで海外の文具を眺めるのが癒しになっている。
SHEINやTEMUには、日本では見かけない色合いのマステやステッカーがあって、
見ているだけで心がほぐれる。
買わなくてもいい。
ただ「きれいだな」と思うだけで、
気持ちが少し軽くなるのだ。

新しい文房具を手に取ると、
「また書いてみようかな」という気持ちが自然に湧いてくる。
それが、心の養生の第一歩なのだと思う。

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感情に優しく触れる暮らしへ

無理をやめて、自分の心に正直になること。
それが、40代から始まる“心のデトックス”なのかもしれない。

長い間、頑張ることが当たり前だった。
我慢することを美徳だと思っていた。
でも、ようやくわかった。
頑張り続けるよりも、
立ち止まる勇気のほうがずっと難しくて、ずっと大事だということを。

「もう疲れた」と思えるのは、
まだ自分を大切にしたい証拠。
その声を聞けた自分を、どうか責めないでほしい。

小さな手帳を開いて、
好きな色を選び、今日の気持ちを書き留める。
それだけで、心は少しずつ整っていく。

感情を押し殺してきた時間が長かったぶん、
これからは、自分の心をそっと撫でるように生きていきたい。
誰に見せるわけでもない、私だけの小さな儀式として。

今日も小さな養生を。

Wrote this article この記事を書いた人

ミカ

手帳と暮らすミカです。 薬剤師・和漢薬膳師として、心と体の「めぐり」を見つめながら暮らしています。 40代を迎え、心や体の声に耳を澄ます日々。 手帳を開く時間は、私にとって小さな養生であり、静かな儀式です。 ここでは、ほぼ日手帳に綴る日々の出来事や心の揺れを通して、 「人間らしく生きる」ためのヒントを探しています。

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