手帳日記

祝日でも働く私の小さなご褒美|写真プリンターを注文した日

祝日の静けさの中で

スポーツの日。
季節もよく、観光日和だ。

けれど私は、朝からパソコンの前に座っていた。
祝日でも仕事がある。
在宅勤務という響きは自由そうに聞こえるけれど、
実際は、画面の向こうにいる誰かの都合に合わせて
小さく呼吸を整えながら働く日々だ。

それでも、祝日の仕事は嫌いじゃない。
メールの通知がほとんど来ない。
社内チャットも静まり返っている。
世界の音が少し遠のいて、
自分の仕事にだけ集中できる。

コーヒーを淹れて、机に座る。
隣の部屋では、子どもたちがまだ眠たげな声で話していた。
「今日は何しようか」
「ママはお仕事だよ」
そんな会話が、朝の光の中にふんわりと溶けていく。

静けさの中で見つけた欲

午後になって、少し仕事が落ち着いた。
お昼休みに、なんとなくネットを開く。
ずっと気になっていた小さな写真プリンターのページを見つめた。

インクがいらないタイプ。
スマホからすぐに印刷できて、
カードサイズの写真がシールのように出てくる。

「これがあれば、手帳にすぐ貼れるな」
そう思った瞬間、
胸の奥がふわっとあたたかくなった。

手帳に貼りたいのは、
出かけた先で食べたケーキの写真。
何気ない空の色。
家族の笑顔――
どれも、日常の中にそっと転がる“自分だけの記録”たち。

価格は1万円ほど。
ちょっとした買い物ではない。
でも、思い切って注文ボタンを押した。
そのクリックの音が、
まるで“よく頑張ってるね”と
自分に言われたような気がした。

手帳に貼る写真、貼る気持ち

私は毎朝、手帳を開く。
そのページに、昨日の言葉や感情を書き込んでいく。
そこに写真を一枚貼ると、
不思議と空気が変わる。

言葉だけでは届かない“温度”が宿るのだ。

手帳に貼る小さな写真は、
その日の自分の証のようなもの。
誰かに見せるためではなく、
「確かに生きてた」と心に刻むための記録。

ページの上で、
写真と文字とマステが並ぶと、
そこにひとつの世界ができあがる。

風の色、コーヒーの香り、子どもの笑い声。
全部が混ざって、紙の上に残っていく。

この小さな作業が、
私にとっての“養生”なのかもしれない。

ご褒美は、静かな自分時間

働く日々の中で、
自分のために何かを買うことは、
少しだけ勇気がいる。

でも、1万円の写真プリンターは、
未来の私を想っての贈り物。
「いつかこの写真を貼ろう」
そう思える日々が待っている。

忙しい日常の中で、
“欲しい”と思える気持ちを大切にしたい。
それは、
まだ自分を信じている証拠だから。

夕方…
子どもたちはテレビを見ながら笑っている。
その声をBGMに、私は再び仕事に戻る。

静かな祝日。
小さな達成感と、少しの疲れ。
でも机の隅には、
「届くのが楽しみ」と書かれたメモが一枚。

その文字を見るだけで、
心が少しだけ軽くなる。

たった一つの買い物が、
今日という日をやさしく照らしている。

今日も小さな養生を。

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